秋の気配

まだ暑い日々が続いていますが、少しずつ十和田湖にも秋の気配が感じられる様になりました。


秋になると紅葉がすばらしい十和田湖ですが、視覚的な楽しみはもちろん、私はこの時期に楽しみにしている事があります。それは森に漂ううっとりとするような甘い香りです。まるで砂糖を焦がしたようなキャラメルの様な芳香の正体は、桂の葉から発せられるものです。


桂は高さ30メートル程にもなる落葉高木で、あまり大きくない丸いハート形の葉を沢山つけます。この葉が紅葉の時期になると黄色に変わるのですが、同時に甘い香りを発するようになります。この香りの元はマルトールという物質で、独特の香りや甘味を助ける働きがあり、食品添加物として広く使われているようです。不思議なことに緑の葉のときは香りがせず、黄色に変わる頃になると香り始め、色が濃くなっていくにつれ香りは強くなっていきます。


カヌーツアーや奥入瀬渓流の散策の際は目で楽しみつつ森の香りにも気をかけてみてください。今までよりも紅葉の森を楽しむ事ができると思います。

大久保 友策 / YUSAKU OKUBO

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