ニリンソウ

春先に目につく花として、やはりニリンソウが思い浮かびます。(花弁のように見えるのは実は萼片ですが、ここではわかりやすく花と呼びます)一本の茎に二つの花茎を伸ばして花を咲かせることが名前の由来となっています。時には三輪のものもあり、ちょっと気まぐれな花だという認識があります。

宇樽部集落の手前、林縁の湿った場所に見応えがある大群落が作られています。背丈があるため風に吹かれて波打つようにそよぐ姿も春らしい風景の一つです。一輪咲いた後に二輪目を咲かせるため、花期が長く、花芽の数を数えずにはいられない楽しい花でもあります。

また、地元のおばあちゃんはニリンソウの群生を見て「ニリンソウはイモだからよく増える」と言います。種子による繁殖の他に、地下茎を伸ばして増える性質を指していて言い得て妙だと感心しました。多年草のことをイモと呼んでいるみたいです。

そして、ニリンソウの若芽の時はトリカブトと瓜二つ。生える場所やタイミングも同じなので、間違われることが多いそうです。花が二輪咲いているかどうかで区別するのが確実ですが、花が終わった後の区別の方法もあります。それがなかなか難しい!気まぐれな花と言ったけれど、二輪でも三輪でも花をつけてくれること自体が地元の方にとってはありがたいことなんだなと思いました。

木滝 奈央/Kitaki Nao

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