鳥の巣?

4月の半ばから宇樽部キャンプ場へ開場準備のために入っていたのですが、この時期はまだ樹木の葉が出てきていないため、森の奥や湖が抜けていて良く見えます。樹上を見上げてみると、まるで鳥の巣のような丸い大きな塊がたくさんついているのが目立ちます。

これは、鳥の巣ではなく、ヤドリギという半寄生性の常緑樹で樹木の樹皮に着床して、宿主から養分や水分を吸収して育つ植物です。ヤドリギの果実は渡り鳥であるキレンジャクやヒレンジャクの餌となり運ばれ、糞に含まれる種が樹上にくっつきそこで成長していきます。成長スピードは遅いため、鳥の巣のような塊になるには何年もかかるようです。春先の強風でいくつかのヤドリギは振り落とされてしまいましたが、キャンプ場の管理棟に置いてありますので観察してみてください。

冬に十和田湖に来た時も、モノトーンの景色の中に緑の球体がたくさんついている様は可愛くもあり、植物の生命力みたいなものを感じられます。これから日に日に十和田湖畔の木々も葉を広げ、段々とヤドリギの姿も目立たなくなってしまいますが、ぎゅっと木々に掴まりながら成長を続けることでしょう。

大久保 友策 /Okubo Yusaku

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