樹幹流

雨の日に森を歩く楽しみの一つに樹幹流(じゅかんりゅう)があります。

低木たちの葉っぱが雨に濡れて生き生きと光る様子も素敵ですが、少し目線を上げると、ブナの樹の幹を流れる雨水がキラキラとしていてとても奇麗で、立ち止まってはその川の流れのような光を下から上に、上から下に・・・と眺めてしまいます。
流れる場所がいつも決まっているのか、晴れて樹皮が乾いても樹幹流の跡がくっきりとわかるブナも見受けられます。
いつも同じ場所に雨水を流すために、葉っぱや枝や幹がデザインされているのかも知れません。

雨が降り樹幹流として地上に到達する間に樹木から溶け出した成分や沈着物を含み、森の栄養として流れ落ちていきます。
雨が樹幹流になることで、雨水そのものの成分から性質が変化するなんて驚きです。
森の栄養になるばかりか、酸性の雨を中和させるお手伝いもしているそうで、まるで魔法の水ですよね。
自然のシステムやデザインには、驚きや不思議がたくさんあるなー・・・
なんて感動していると5分くらい立ち止まって考えてしまうこともあるのですが、その不思議や感動を与えてくれる自然にはいつも頭が下がります。

雨の日の森歩き、気分が乗らないかも知れませんが樹幹流を見に森に入ってはいかがでしょうか。
雨の日には雨の日にしかない不思議を探してみませんか?

小島 圭二/Kojima Keiji

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