アウトドア活動で環境に優しいとは -Leave No Trace-

アウトドア活動において環境に優しいとは、具体的にどういうことを指すのでしょう?私は人によって解釈が違い、曖昧で理解しにくいと感じていました。みなさんも環境に優しい行動を考えることは、なかなか難しいと感じているのではないでしょうか。そんな感じ方をする理由のひとつには、日本では子供たちが自然での過ごし方について学ぶ機会が限られていることがあるようです。

そのような中で、私はLeave No Trace(以下、LNT)に出会い共感しました。LNTは環境への影響を最小限に抑え、アウトドアを楽しむための環境倫理プログラムです。7つの原則に基づいたテクニックを使い、誰でもわかりやすく楽しく実践することができます。LNTの考え方は1980年代に北米で生まれ、現在では国立公園や州立公園内のパンフレットやレンジャープログラムなどで広く普及しています。

LNT7原則
1 事前の計画と準備
2 影響の少ない場所での活動
3 ゴミの適切な処理
4 見たものはそのままに
5 最小限のたき火の影響
6 野生動物を尊重
7 他のビジターへの配慮

私は2021年11月に宮城県雄勝町で3日間の研修を受け、Leave No Traceのトレーナーとして認定されました。この研修では、同じく日本セーフティーパドリング協会(以下、JSPA)の会員である中野さんと一緒に学び、女性パドラー同士で環境への配慮についての悩みを共有できたのもいい機会でした。その後、Towadako Guidehouse 櫂は、2022年に国際ブランチ「リーブノートレイスジャパン」の団体メンバーとなりました。

同じ年にLNTJとJSPAが指導者養成連携協定を結び、JSPAのカリキュラムにLNTを取り入れることになりました。今後、水辺のアクテティビティでもLNTが取り入れられることが予想されるため、私はより多くの知識を身につけたいと思っています。学んだことを将来、カヌー愛好家が集まるカヌー塾やキャンプ場を訪れる子供たちに伝えることができればと考えています。

LNTの原則を実践することで、私たちはアウトドア活動をより環境に配慮したものにすることができます。例えば、事前の計画と準備をしっかり行うことで、無駄な資源の消費や生態系への負荷を減らすことができます。また、ゴミを適切に処理し、自然環境を汚さないことも重要です。さらに、野生動物や他のビジターへの配慮を忘れずに行動することで、共有の自然空間を良好な状態に保つことができます。

これらは原則であり、ルールではないというところが重要なポイントでもあります。興味を持たれた方には、Leave No Traceアウェアネスワークショップへの参加をおすすめします。ワークショップに参加することで、より深く理解を深めることができますよ。

LNTの考え方は、私たちが環境保護への意識を高め、持続可能なアウトドア体験を実現するための助けとなります。私たちは自然の美しさと豊かさを楽しむ一方で、その責任も持たなければなりません。アウトドア活動を通じて、環境に優しく、未来の世代に美しい自然を残していくことを目指しましょう。

木滝 奈央/Kitaki Nao

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