最近、興味深い生き物に出会いました。アカスジキンカメムシの幼虫です。カメムシと言えば、強烈で嫌な匂いを出すことで、どちらかと言えば嫌な虫の部類に入ると思います。でも、この種類はほとんど嫌な匂いがしないそうなので安心して観察できます。
アカスジキンカメムシの成虫は光沢のある金緑に名前通り赤い筋が入り、体長は1.5~2cmほどで、比較的大型かつ美しいカメムシです。死んでしまうと金緑の色は暗い緑色に変わってしまうそうで、生きている間しか見ることができない美しさを持っています。
今回見かけたのはそのカメムシの幼虫でした。幼虫は白黒で光沢があり、ヨブスマソウの上にいるため、私にとっては大人になってからよりも目を惹かれる存在でした。このカメムシは秋の終わりに終齢(5齢)幼虫となり、落ち葉の下や樹皮の下で越冬し、来春に羽化するのです。つまり、4回も脱皮をするということになります!
モノトーンの幼虫が美しい成虫に変わるなんて、初めは全く思いもしませんでした。正直、虫が苦手なので調べるのにたじろいでしまいましたが、美しいと感じるものはやはり気になる存在なようで、「あれは何だったのだろう?」と度々写真を眺めては写真データを消せずにいました。
今回勇気を出して調べて、幼虫も成虫も美しいカメムシという存在を知ることができたことは、自分にとってはいい出会いでした。虫が好き!とは言えませんが、虫に対するイメージが少しずつ変わり、美しい自然の一端を垣間見ることができました。虫が苦手な方もきれいなものから慣れていくのも手なのかもしれませんよ。
木滝 奈央/Kitaki Nao
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