シングルパドル

カヌーに欠かせない道具のひとつにシングルパドルがあります。カヌーを操作するための漕ぐ道具のことで、水を捉えるブレード、持ち手となるシャフトとグリップの3つのパートに分けられてできています。

しばしば、パドルをボートで使用するオールをイメージしてしまう方がいますが、船縁に支点がついていて固定されて後ろ向きに漕ぐための道具のことをオールといい、パドルは艇縁に固定されず両手で持ち進行方向に漕ぐ道具のことをいいます。どちらも日本語だと櫂(かい)と呼ばれますが、パドルとオールでは使用方法に明確な違いがあり呼び方を分けることができます。

パドルはダブルブレードパドルとシングルパドルの2種類があります。
ダブルブレードパドルは両先端にブレードがついていて左右交互にバランスをとって漕いでいくもので主にカヤックが使用します。
シングルブレードパドルはブレードが片方だけについており、基本艇の片側を漕ぎながらコントロールしていく主にカヌーで使用します。
過去ブログ参照 カヌーとカヤックの違い https://tgkai.jp/canoe-kayak-tigai/

シングルパドルには、さまざまな形状のブレードやグリップが存在します。ブレードの形や大きさ、材質、サイズなどで特徴が表れます。代表的なブレードの形だとスクエア型、ビーバーテール型、オッターテール型の3種類があります。

● スクエア型はブレードが四角い形をしておりキャッチ力がありますのでしっかりと水をとらえ力強く漕ぐことができます。

● ビーバーテール型はブレードの先端部は丸みをおび、シャフトにいくにしたがい細くなる楕円型のまさにビーバーの尻尾のような形をしています。ビーバーの尻尾は水中での舵の役割をいたしますがビーバーテール型も同じく舵取りがしやすい滑らかな漕艇ができるようになります。

● オッターテール型のブレードは細長い形状をしており、カワウソの尻尾のように見えることから付けられた名称です。カワウソの尻尾は水中での舵の役割を果たすほか、立ち上がった際の体の重心を支えることができるので、オッターテール型もシャフトの重心位置に近い部分で芯を捉えやすいような形状により、適度なキャッチとコントロールがしやすく長距離やタンデム(二人乗り)に向いています。

グリップでは、しっかりと握ることができるT字型のグリップと馴染みやすく持ち手をずらしやすい滑らかなカーブを描いた形状のパームグリップがあります。

また、材質によりキャッチの感覚や重さ、浮力などがかわります。
カーボンなどの特殊素材は非常に軽くキャッチのインパクトがダイレクトに身体に伝わるのに対し、木材は温もりがあり、キャッチした時はしなやかに曲がりますので身体への負担が軽減されます。

そして、パドルのサイズも重要で、同じ形状、材質のパドルでも長さがほんの少し変わるだけで身体への負担やキャッチの感覚が変わります。

流水域か静水域で漕ぐのか、ホワイトウォーターかレクリエーションやツーリングなのか、どのフィールドでどのようにして漕ぐのかによってその人の個性が色こく出るのがカヌーであり、パドルもまたどれを選ぶのかによってその人のスタイルに大きく関係します。

このスタイルの幅の広さがカヌーの魅力の一つであり、私が好きな理由の一つでもあります。
いろんな形状や材質のパドルを使っているけれど、自分の最高の1本にはまだ出会えていない気がします。
ぜひぜひ、どなたかおすすめのパドルがあれば教えてください。
いつか最高の1本に出会える日を夢見て。

村上 周平 / shuhei murakami

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