風は大敵

春が訪れここ十和田湖もパドルスポーツのシーズンが始まりました。
うたるべキャンプ場は湖畔に隣接しているため、近年、自艇持ち込みの方も増えてカヌーやカヤック、SUPなど多様な水遊びを楽しんでいるキャンパーさんが見られています。ベテランの方から初心者の方まで幅広い層の方が湖で漕いでいますが、事故なく安全に楽しんで頂くために気にかけてほしいことがあります。

それは、「風の強さ」と「風向き」です。

十和田湖は湖面標高400mと山上の湖であり、火山活動によって作られたカルデラ湖である。周りが1000mほどの山々で囲まれており周囲が46km、最大水深326.8mと大きく深い湖である。山上にある湖なので街の天気とは異なり山の天気となりますので一般的な天気予報どうりにはいかないもの。周りの地形が影響するので山谷風やサーマル現象の風が吹くし、東北特有の気候「やませ」の影響も受ける。このフィールドの特性を知っておかないと痛い目に遭うことも。断続的な風や突風だけでなく波やうねりも発生するので、沈(転覆)する可能性も少なくありません。春や秋は特に水温が10度前後と非常に低くなりますので、沈してリカバリーできなければ低体温症になり最悪のケースになる場合もあります。

そうならない為にも、情報収集や適切な装備、リカバリー練習など行い自分の知識や技量、経験値を高めることと無理をしないことが一番ですが、漕ぎ始めは凪だったのに、気づいたら強風になりコントロール不能になるケースも考えられます。

そこで、天気予報の「風速」と「風向き」を意識してください。

例えば、風速3m/sの場合、1秒間に約3mの距離を進む風の速さとなりますが、風の吹き方も強弱があり強風も吹くこともあります。風速3m /sの予報でも時に6m /s以上の突風が吹くこともありますので、最大瞬間風速は予報平均値の倍以上の風が吹くということを覚えておくと良いです。

カナディアンカヌーは他の艇種よりも喫水線が高いので風の影響を受けやすいです。また、シングルパドルを使用するのでソロだと漕艇技術もそれなりに難しいです。一般的にカナディアンカヌーをソロで漕ぐ場合、風速3m/sくらいまでが、漕艇できる範囲だと思っておいてください。風速5m /s以上は、上級者でも漕艇は厳しいと思います。ということは、最大瞬間風速を考慮した場合、予報の風速2~3m /sが妥当だということになります。

そして、「風向き」にも注意が必要です。
自分がいる場所に対してどこから風が吹いているのか?
岸に向かって吹いている場合は良いですが、沖に出される「出し風」の場合、漕艇不能だと、どんどん沖に流されてしまいます。風は沖に出れば出るほど、遮るものがなくなり常に風の脅威に晒されることになります。また、湖面は風により波が発生し、風と波の最悪の状況となります。

湖だからといって、リスクが少ないとは限りません。特有のリスクが存在しますので自分の技量をしっかりと把握し予報と照らし合わせながら無理のない範囲で楽しんで頂けたらと思います。

村上 周平 / Murakami Shuhei

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


TOP
予約する アクセス お問合せ