トウゴクサイシン

今年の春、奥入瀬渓流を散策中に久しぶりにトウゴクサイシン(東国細辛)を見つけました。奥入瀬渓流にあるとは聞いていたものの、実際に観るのは初めてでとても嬉しい発見でした。

最初にトウゴクサイシンを見たのは七戸の山の中で、記憶に残る山野草でした。当時は花だと思っていましたが、後で萼(がく)だと知りショックを受けたのでした。花のように見えるのは萼が合着して筒状になったもので、それを「萼筒(がくとう)」と呼びます。見た目からしてなんだか触りたくない気分になったのを覚えています。

名前が東国ということで、関東をイメージしがちですが、実際には関東北部から東北の落葉広葉樹の林床に生える落葉性の宿根草です。2枚の葉に隠れ根元の方に咲くので見過ごしてしまいがちですが、特徴的なフォルムをしているので見つけると気になってしまう植物です。

暗い小豆色で部分的に色が薄くなったり、白い斑模様があるため、初めて見る人は私と同じようにちょっと気味悪さを感じるかもしれません。ウスバサイシン(薄葉細辛)に似ているので写真で特徴を比べたかったのですが、肝心な部分は判別するには曖昧。現場でもう一度確認してみたかったのですが、花期が終わってしまったので特徴を見分けるのは難しくなってしまいました。

あの触りたくないと感じたあの萼筒の凹凸が深いか浅いのか…来年は触って確認してみようと思います。

木滝 奈央/Kitaki Nao

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