先日、米代川をカヌーで下ってる時の上陸中に息子がヘビを見つけました。
まだ体は小さく、全身黒っぽいのと赤い斑紋がありヤマカガシの幼体でした。
(※画像は以前出会った成体のヤマカガシです)
一般にヘビの体色は地域差や個体差によってバリエーションが多いので、私は体色だけでなく、目の瞳孔の形や虹彩(瞳の周りの膜)も確認して識別するようにしています。
シマヘビは虹彩が赤いレッドアイ。
アオダイショウは体色に似たオリーブっぽい虹彩と瞳孔はまるい。
マムシは瞳孔が縦長。
ヤマカガシは瞳孔がまるく頭のサイズに対して目が大きく見える(なんとなく)
というふうに。
ヤマカガシは毒蛇です。
ハブの8倍、マムシの4倍の毒性といわれ、国内のヘビの中ではトップクラスの毒性もちで、また、2種類の毒を持っている珍しいヘビです。
ひとつは上顎後方にある毒牙から毒液を注入する方法。毒液が注入されると、咬まれた場所からの持続性の出血、歯茎からの出血、血尿、斑状出血、血液凝固作用への異常などの症状が起きます。
しかし、おとなしい性格と毒牙が短く、深く咬まれない限り毒液が注入しずらく、毒の被害につながりにくともいわれています。
もう一つはヒキガエルの毒を体内に取込み蓄積させ利用する防御用の毒で、首元の頸部にある毒腺から分泌、噴射し、休憩しているときでも捕食者を寄せ付けないようにします。この毒による防御は、ヘビが体力を温存するために静止している低温下では特に重要だといわれています。
また、この毒液が目に入ると結膜炎となり回復するのに数日かかるといわれています。
※万が一咬まれたときや目に毒が入ったときは、すぐさま病院で処置してください。
この見つけたヤマカガシの下流の河原ではカジカガエルのメスを見つけましたので、きっとカエルを狙いにきたんだろうなと思ました。
ヤマカガシはカエルが好物ですので生息域も水田や河川、湿地などカエルがいる平地から山地までと幅広く、十和田湖にもモリアオガエルやカジカガエル、アズマヒキガエルなどが生息していますので、ヤマカガシと出会うことも少なくありません。
これからの季節は、ヤマカガシとの遭遇率も高くなると思いますので、カヌー乗りのみなさんもご注意くださいね。出会ったときは刺激せず立ち去りましょう。
村上 周平 / Murakami Shuhei
コメント